カナモト(9678)~道内データセンター等のインフラ投資が建機レンタル事業に追い風~

バリュー株

はじめに

近年、北海道ではデータセンターの設置、半導体メーカー「ラピダス」の設立、北海道新幹線の延伸など、さまざまな好材料が相次いでおり、地域経済への波及効果が期待されています

参考資料:読売新聞オンライン「ラピダス効果で『熱気、想像以上』…企業進出、千歳や苫小牧、恵庭まで」

そこで、北海道を基盤に全国へと展開する建機レンタル大手、カナモト(9678)に投資妙味があるかを考察しました。

出典:2025年7月15日 個人投資家向けオンライン会社説明会


事業内容(四季報より)

同社は建設機械レンタルの大手企業で、北海道を拠点に全国へ広域展開を進めています。近年は関東圏への拡大を図るとともに、オーストラリアや中国など海外にも拠点を有しています。

国内ではインフラ更新需要が旺盛であり、民間データセンターや北海道新幹線関連、九州の防衛施設関連といった案件で受注が伸長しています。また、資産稼働率の向上やレンタル料金の値上げ浸透により収益性を改善。2025年2月の給与改定による人件費増加を吸収し、増益幅を拡大しています。

出典:2025年7月15日 個人投資家向けオンライン会社説明会


業績状況

売上高の約9割を建設関連事業が占めています。地域別の売上構成を見ても、特定地域に依存することなくバランスの取れたポートフォリオが形成されている点が特徴です。

出典:2025年7月15日 個人投資家向けオンライン会社説明会

出典:IRbank


今後の見通し

中期経営計画において、当初計画より1年前倒しとなる2029年度に「営業利益210億円、ROE8%、総還元性向50%」を目標に掲げています。

地盤である北海道・東北に加え、シェアが相対的に低い地域での成長を加速させる方針です。また、DX戦略の強化も積極的に進めています。

出典:2025年7月15日 個人投資家向けオンライン会社説明会


ファンダメンタル(2025年8月15日 楽天証券より)

  • 予想PER:11.34倍
  • PBR:0.87倍
  • 予想配当利回り:2.33%
  • 自己資本比率:43.37%

同社は総還元性向50%以上を掲げており、引き続き今後の増配が期待できる状況と考えられます。

出典:IRbank


株主優待について

カナモトでは、保有株数に応じて株主優待品が頂けます。最低でも500株(約170万円相当)の保有が必要であり、優待目当てとしては投資効率はさほど高くない点に留意が必要です。

出典:カナモト公式HP


株価推移と今後の注目点

株価は近年の業績に支えられ、堅調に推移しています。

ただし、2024年8月や2025年4月など、市場全体が大きく下落した局面では移動平均を明確に割り込む傾向がみられました。そのような調整局面での投資は、長期的にはリスクを抑えた投資が可能と考えられます。

出典:Yahoo! Finance

ここまで頂きありがとうございました。

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