タイミー株(215A)を考察 ~スキマバイトのリスクと成長可能性について~

グロース株

実体験から感じた“スキマバイト”の存在感

転職に伴い引っ越しをした際、引越し業者のスタッフの中にスキマバイトの方がいました。
そのとき、「スキマバイトもだいぶ定着してきたな」と、改めて印象に残ったのを覚えています。

最近では、身の回りでも「タイミーでバイトをした」「お店が人手不足でタイミーを使っていた」といった話を聞くことが増えてきました。
そこで、スキマバイト業界で最も名前の知られているタイミー(215A)に、今後の成長性と投資妙味があるのかを考察してみました。

*2025年1Q決算資料より引用


直近の業績

タイミーの業績は堅調に推移しています。
特に売上高は前年比+36.2%と大幅な伸びを見せており、アクティブアカウント数も右肩上がりで増加していることがわかります。


今後の成長見通しと投資ポイント

タイミーの成長を支える要素として、以下の3点が挙げられます。

①インフレによる可処分所得の減少に伴う労働ニーズ

家計の節約志向が高まる中、副収入を得る手段としてスキマバイトの需要は拡大すると考えています。
エンゲル係数の上昇消費性向の低下は、スキマ時間を活用した労働ニーズを後押しする要因となり得ます。

エンゲル係数上昇の主因は家計の節約 ~実質可処分所得増加による押し下げを消費性向低下による押し上げが上回る~ | 永濱 利廣 | 第一生命経済研究所

②「103万円の壁」引き上げによる労働参加の後押し

主婦や学生など、これまで労働時間を抑えていた層の就労ニーズが高まる可能性があり、タイミーの利用者増に繋がる可能性を考えています。

スキマバイトも「103万円の壁」超で確定申告の必要 タイミーと会計バンクが専用アプリ – 産経ニュース

③人手不足の加速

介護やホテル、外食をはじめ、様々な業界で人手不足が続いています。
AIによる代替は長期的には進むでしょうが、足元では「人の力」へのニーズが依然として高いと考えており、引き続き市場拡大を見込んでいます。


  • 介護や宿泊業界への進出
  • ワタミとの業務提携(サブウェイの店舗運営など)

といった取り組みが広がっており、サービスの裾野が着実に広がっている印象を受けます。

タイミーとワタミが業務提携〜大手外食チェーン初となる“フルタイミー”でのサブウェイ店舗運営を目指す〜|ニュース|株式会社タイミー(Timee,Inc.)


懸念材料

競合の参入

リクルートなど大手の参入は一部見送りとなっており、引き続きタイミーはかなり優位な立ち位置だととらえています。

『タウンワークスキマ(仮称)』、開発中止のお知らせ | 株式会社リクルート

闇バイト問題による風評リスク

実は先日、社内イベントの設営をお願いしていた業者さんと話す機会がありました。その際、「今回のスタッフもタイミー経由で募集していて、過去の実績が見えるので安心感があるんですよ」と話してくれました。

さらに、「時給が高いと“闇バイト”と誤解されかねないので、求人内容をしっかり書いてほしい、と運営からも細かく指示される」とも教えてくれました。

メディアで取り上げられる“懸念”とは裏腹に、現場レベルではタイミーの丁寧な運用体制に助けられているという声もあるのだと、私自身このやり取りを通して実感しました。

このやりとりから、タイミーは一定の品質管理がなされているという印象を持ちました。
報道では炎上もありましたが、運営側が適切に対応しようとする姿勢は評価できると感じています。

タイミー、炎上から1カ月後の会見。注目の質疑で語られたこと | Business Insider Japan


株価動向と今後の投資スタンス

株価は決算やニュースでボラティリティが非常に高いため、エントリーポイントの見極めが重要です。

ただし、長期的には業績の成長が株価に反映されてくる可能性もあると考えており、市場全体が調整した局面では再エントリーを検討したいと感じています。


おわりに

今後の社会環境の変化とともに、こうした「働き方のインフラ」を支える企業は注目に値すると思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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