長野県の有力地銀である八十二銀行(8359)は、
静岡銀行(静岡)と山梨中央銀行(山梨)との包括業務提携(アライアンス)を発表し、注目を集めています。
また、長野県内の地銀である長野銀行と合併し、新たに「八十二長野銀行」となる予定です。
今回は、今後の動向が注目される八十二銀行に投資妙味があるかを考察していきます。
事業内容(2024年3月末時点)
1931年(昭和6年)創業。
現在は国内に151店舗(うち長野県内に131店舗)を展開し、
長野県内企業のメインバンクとして広く親しまれています。
地銀上位行に位置付けられ、長野県内の貸出金シェアは約5割。
堅実な経営スタイルと高い自己資本比率を背景に、安定感のある運営を続けています。
また、長野銀行の完全子会社化を経て、2026年には両行が正式に合併し、
「八十二長野銀行」として新たなスタートを切る予定です。
業績動向
近年、経常収支やEPS(1株あたり利益)はともに増加傾向にあります。
※IR Bankより


また、貸出金残高も年々増加しており、
今後の金利上昇局面においても恩恵を受けられる可能性が高いと考えられます。
※企業HPを基に作成



今後の見通し
八十二銀行は中期経営計画において、
2027年度までにROE5%以上を目標に掲げています。


成長戦略としては、以下のような取り組みが挙げられています。
- 観光産業など成長期待地域への投融資拡大
- AI・デジタルチャネルを活用した個人取引の拡大
- 有価証券ポートフォリオの再構築による持続的な収益確保
- コンサルティング業務への人員再配置(約100名)
- システム統合によるコスト削減

これらの施策は期待できるものの、どの事業セグメントがどの程度寄与するかについては、やや不透明な印象も受けました。今後は四半期ごとの開示資料などを注視していきたいところです。
さらに、資本効率向上施策として、
政策保有株の削減→配当・自己株式取得に充当する方針も示されています。

ファンダメンタルズ(2025年4月27日現在・楽天証券より)
- PER:13.35倍 / PBR:0.44倍 / 配当利回り:2.35% / 自己資本比率:7.51%
PBRは0.4倍台と依然として割安圏にあり、
今後も増配や資本効率の改善が進めば、ファンダメンタルの底上げも期待できそうです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました
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