山梨中央銀行(8360)~アライアンスとリニア開業、成長に向けた追い風~

バリュー株

先日、静岡銀行と八十二銀行の包括提携が発表され、地方銀行再編への注目が高まるなか、山梨中央銀行(8360)にも光が当たっています。今回は、同社に投資妙味があるかを考察しました。

静岡 長野 山梨の3地銀 包括業務提携で合意 海外投資呼び込み | NHK | 金融


事業内容(四季報より)

山梨中央銀行は、山梨県内で約4割の融資シェアを誇る地方銀行です。
また、東京都西部にも積極的に進出し、県内・都下向けの中小企業融資を得意としています。

近年は不良債権処理も着実に進み、経常利益も回復傾向。
預金調達コストのコントロールにも成功しており、有価証券利息や配当金の積み増しによって経常増益基調を続けています。さらに、増配余地も十分にあると見られます。

静岡銀行・八十二銀行との包括業務提携を背景に、今後の動きにも期待が高まります。


業績状況と地域環境

山梨県は、半導体製造装置の東京エレクトロングループや産業用ロボットのファナックなど実は製造業が強い地域です。

さらに、リニア中央新幹線の山梨県駅(仮称)開業も控えており、地方では珍しく成長ポテンシャルを持つ地域といえます。

こうした背景を受け、同行の貸出金も年々増加傾向です。

*日経CNBC のyoutube動画より

今後の金利上昇局面では収益拡大の恩恵を享受できる可能性があります。

これらの背景から、EPSも順調に伸びています。

*irbankより


今後の見通し 中期経営計画より

FY2027をターゲットとした中期経営計画では、以下の目標が掲げられています:

  • 連結ROE:5%以上 / 連結当期純利益:100億円以上 / PBR:0.5倍

*日経CNBCインタビューより

この目標達成に向けた成長戦略は多岐にわたります。

  • 山梨・東京間の情報連携強化による投資呼び込み
  • 地域活性化を見据えた街づくりへの積極的な関与
  • リニア中央新幹線開業を見据えた地域ネットワークの拡大
  • 東京都ネットワークの深化
  • 地域総合商社機能(観光、脱炭素、広告分野との連携)
  • ベンチャーキャピタル(VC)への出資拡大

ただし、それぞれの取り組みがどの程度業績に貢献するのかはやや見えづらいため、今後の進捗管理に注目が必要と考えます。


ファンダメンタルズ(2025年4月25日時点/楽天証券より)

  • PER:10.66倍 / PBR:0.28倍 / 配当利回り:2.83% / 自己資本比率:4.98%

特に注目したいのはPBRが0.3倍程度と非常に割安な点です。
業績向上と資本効率の改善が進めば、今後の増配や評価見直しの可能性も期待できそうです。


まとめ

山梨県というポテンシャルのある地域を地盤に持ち、静岡・八十二銀行との提携という環境変化を追い風にできるか。
そして、リニア開業という大きな外部要因をチャンスにできるか。

割安なファンダメンタルを武器に、今後の動向を注視したい注目の地銀です。

引き続き、地銀について調査を継続していきたいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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