はじめに
ドン・キホーテを散策していた際、「ゴリラのひとつかみ」というマッサージ器具がよく売れている様子を目にしました。
店内の目立つ場所に陳列されており、販促用のポップも設置されていたことから、売れ行きの良さがうかがえました。
ドウシシャ(7483)は、この他にも多様な生活関連商品を手がけ、ニッチ分野においてシェアを拡大している注目企業であると感じたことから、同社への投資妙味について考察しました。
事業内容
1974年に個人営業として「同志社」を創業。これは、創業者が勤務していた会社の倒産を教訓に、「絶対に潰れない会社、働きがいとロマンのある会社をつくろう」という呼びかけのもと、’同’じ’志’を持つ仲間たちと立ち上げた会’社’が’由来とのことです。
現在のドウシシャは、生活雑貨や家電製品の自社企画・開発によるPB製品を展開しており、加えて国内外の有名ブランド品も取り扱う卸売ビジネスモデルを展開しています。
出典: ドウシシャ公式HP
同社の特徴的な製品例として、ゴリラのひとつかみ以外にも以下のようなものが挙げられます。
- 単身者向け「15分で炊き上がる炊飯器」
- 高齢者向け「聞き取りやすいスピーカー」
また、卸売モデルでは、名作ボトルブランド「STANLEY」やスポーツウォッチ「SUUNTO」などの輸入販売も行っています。
出典: ドウシシャ公式HP
業績状況
売上高は微増傾向にあるものの、EPS(1株当たり利益)は堅調に推移しており、これは営業利益率の改善が寄与していると考えられます。
2025年3月期の決算短信によると、主力商品では「ゴリラのひとつかみ」やフライパン「evercook(エバークック)」、卸ブランド「STANLEY(スタンレー)」、スキンケアブランド「EVERYYOU(エブリユー)」などが好調に推移し、業績を下支えしました。
出典:IR Bank



今後の見通し
ドウシシャは長期的な成長戦略として「100億円 × 30事業」という目標を掲げています。
現代は生活様式や価値観が多様化しているため、かつてのように単一製品でメガヒットを狙うのではなく、ニッチ市場でのNo.1シェア獲得を目指すビジネスモデルは時代に即した合理的な戦略といえます。
出典:ドウシシャ公式HP
ファンダメンタル(2025年6月26日 楽天証券より)
- 予想PER:13.23倍
- PBR:0.98倍
- 配当利回り(予想):3.47%
- 自己資本比率:85.77%
BPSも堅調に積み上がっており、PBR1倍未満という点からも割高感は限定的と評価できます。
出典:IRbank
また、同社は継続的な増配を実施しており、株主還元にも積極的です。ただし、2025年3月期の配当性向は45.9%とやや高めである点は注視が必要です。
出典:IR Bank
株主優待について
100株以上の保有で、自社オリジナル製品が贈呈されます。
近年では、毎年品質の高いそうめんが提供されているそうです。
出典:ドウシシャ公式HP
株価推移と今後の注目点
株価は10年チャートにおいても過去最高値に迫る水準にあります。ここ2年の間で上値抵抗となっていた水準をブレイクアウトすることができるか、注視しています。
出典:Yahoo Finance
10年チャート

2年チャート

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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