はじめに
大手不動産株は、昨今の金利上昇を受けてやや逆風にさらされています。一方で、インフレによる地価上昇の恩恵も享受しており、今後の再評価が期待できることから、総合不動産大手である三井不動産(8801)に投資妙味があるかを考察しました。
事業内容(四季報より)
三井不動産は、国内トップクラスの総合不動産デベロッパーとして、多様なアセットクラスによる不動産事業を展開しています。
主力のビル賃貸事業に加え、マンション分譲や非保有型不動産事業の拡大を進めています。また、データセンター開発を強化する方針を掲げており、2035年までに3,000億円を追加投資する計画です。
さらに、大型案件だけでなく、小規模な都心型開発にも積極的に参入しています。

多様な事業展開によって、バランスの取れた収益構造を確立している点が特徴です。
出典:2025年7月3日 個人投資家様向け会社説明会
業績状況
主要セグメントである、賃貸・分譲・マネジメント・商業施設がいずれも堅調に推移しており、売上高・EPSともに好調な動きを見せています。


今後の見通し
中長期経営計画「VISION 2030」にてEPS成長率+8%(前計画VISION 2025では+7%)、ROE10%(同10%)を目標に掲げています。
主な方針として、下記を掲げています。
- コア事業のさらなる成長
- データセンターなど新たなアセットクラスの拡大
- モビリティ分野などの新規事業領域への挑戦
コア事業では、国内外における新規施設の開業を引き続き推進しています。


また、政策保有株式の削減や純投資目的株式の売却も進め、資本効率の改善を図っています。
ファンダメンタル(2025年10月10日 楽天証券より)
- PER:16.70倍
- PBR:1.42倍
- 予想配当利回り:1.92%
- 自己資本比率:31.92%
簡易的に安全率を算出すると、 (EPS×12+BPS)÷株価=(96.69×12+1187.20)÷1614.5=1.45となり、もう1〜2割程度株価下落すれば投資妙味出てくると考えられます。
株主優待について
三井ショッピングパークポイントが、100株ごとに1,000ポイント付与されます。

さらに長期保有優待制度があり、3回目継続保有で100株ごとに+1,000ポイント、5回目継続保有で100株ごとに+2,000ポイントが追加付与されます。
ららぽーとや三井アウトレットパークなどの大型商業施設で利用できるため、使い勝手の良い魅力的な優待といえます。
株価推移と今後の注目点
株価は2024年につけた最高値圏で推移しており、この水準をブレイクアウトすることができれば、その後の展開に期待できると考えられます。
出典:Yahoo!Finance
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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