大黒天物産(2791)~ インフレ下で注目されるディスカウントストア「ラ・ムー」~

バリュー株

はじめに

インフレによる物価高騰が続くなか、比較的安価な価格設定を強みとするディスカウントストアが注目を集めています。トライアルやコスモスなどが積極的な事業拡大を進めていますが、関東圏での進出が今後期待できる「ラ・ムー」を展開する大黒天物産(2791)について、考察しました。

事業内容(四季報より)

大黒天物産は岡山県発祥の食品ディスカウントストアで、ショッピングセンター向けの複合大型店「ラ・ムー」や、単独店舗の「ディオ」を展開しています。

既存店では価格転嫁や販促強化を進めた結果、下期以降は粗利率の改善が見られたものの、来店客数の伸び悩みにより苦戦が続いています。最低賃金の引き上げや新規出店に伴う費用負担も重く、前期から一転して営業減益となりました。

店舗網は西日本を中心に拡大しており、2025年5月時点で約230店舗を展開しています。全国展開を見据え、「2035年に700店舗出店」という目標を掲げており、今後は中部地方や関東地方への進出も視野に入れています。

業績状況

売上高は右肩上がりで堅調に推移している一方、人件費の増加や各種コストの高騰により、利益面はやや横ばい圏での推移が続いている状況です。

今後の見通し

同社は2028年度に売上高4,000億円の達成を目標としており、持続的な成長と株主還元の両立を目指しています。

ファンダメンタル(2025年12月26日 楽天証券より)

・PER:11.85倍
・PBR:1.31倍
・予想配当利回り:0.68%
・自己資本比率:52.63%

同社の成長性を考慮すると、そこまで割高感は感じられない水準にあるといえます。BPS(1株当たり純資産)が現在の株価と概ね同水準である点を踏まえると、一定の割安感があると考えられます。

また、競合のトライアルはPBR3倍程度で推移しています。

FY2025は記念配当が加味されていた影響で、FY2026は配当総額としては減額しています。

株主優待について

株主優待として、岡山県名産の大粒ピオーネが保有株数に応じて進呈されます。

株価推移と今後の注目点

株価は昨年夏の高値から約半値水準まで調整しています。一方で、今後も継続的な出店が見込まれることを踏まえると、PER11倍台は必ずしも割高とはいえない水準です。

インフレ環境下においてディスカウントストアへの需要は引き続き底堅いと考えられることから、同社の事業環境も中長期的には追い風が続く可能性があります。

出典:Yahoo!ファイナンス

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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