はじめに
yutori(5892)は、Z世代から支持されるアパレルブランドを複数展開する企業ですが、最近は、小嶋陽菜さんがプロデュースする「heart relation」や、90年代の裏原ブームを象徴する「GDC」などを傘下に加え、Z世代に限らず幅広い層をターゲットにしています。
※出典:2025年3月期 決算説明資料
当時、GDCはDragon Ashのkjさんや窪塚洋介さんといったファッションアイコンに支持されてきた人気ブランドですが、現在もオンラインで売り切れ商品が目立つなど、根強い人気があるようです。
※GDC公式オンラインサイト(2025年6月7日時点)
同社は今後、Y世代以降も視野に入れた高単価商品の展開を強化予定です。
ニッチなブランド戦略で、他社との差別化を図りながらコアなファン層を拡大しており、業績向上が期待されます。
※出典:2025年3月期 決算説明資料
事業内容
ECを軸に、若年層向けのアパレルブランドを約30展開しています。
ブランド開発やM&Aにより成長しており、現在はZOZOの子会社です。
Yリーグという社内システムによって、自社ブランド同士を競わせることで、新陳代謝を促す仕組みを採用しています。
※出典:2025年3月期通期 決算説明資料
業績状況
業績は四半期ごとに右肩上がりで推移しています。
ブランドの成長とEC戦略が寄与しています。
※出典:2025年3月期 決算説明資料
今後の見通し
2026年3月期は、売上・利益ともに30%増を予想しています。
※出典:2025年3月期 決算説明資料
ブランド数を70まで拡大する計画があります。
井村俊哉氏との対談では、ブランド数を増やすことでターゲット年齢層やテイストを多様化させて、さらなる市場シェアの拡大を目指しているとのことでした。
*2025年3月期 決算説明資料より
※出典:YouTube「ゆとらないラジオ」第3回(ゲスト:井村俊哉氏)
時価総額と競合比較
同社のブランドには高い人気と個性があります。
他社と比較すると、私見では、三陽商会やハニーズ以上のブランド価値があると考えられ、
時価総額は500億円程度を目安にしても妥当性があると感じています。
よって、現時点の約150億円という時価総額は、過小評価と見る余地があります。
※試算:ChatGPTにて作成
ファンダメンタル(2025年6月7日時点・楽天証券)
- PER:48.19倍
- PBR:14.52倍
- 自己資本比率:14.77%
- 配当利回り:無配
※成長企業であるため、配当より再投資を重視していると考えられます。
株主優待について
2025年6月時点では、株主優待制度は実施されていません。
株価推移と注目点
株価は一時的に高値を超えた後、調整局面に入っていますが、
3,000円付近が下値支持線として意識されて反発すれば、面白いかもしれません。
値動きが荒いので、損切りライン等を意識しながらの慎重な投資が必要と考えられます。
※出典:Yahoo!ファイナンス
まとめ
yutoriは、感度の高いブランド戦略とデジタルチャネルの強みを活かし、若者市場に加えて中堅層への展開も進めている注目企業です。
代表取締役・片石貴展氏の卓越したセンスとカリスマ性、そしてYリーグをはじめとする若者の才能が輝きやすいエコシステムこそが、同社の競争優位性を形づくっていると感じました。
今後のブランド価値と成長性に注目していきたいと思います。

ここまでお読み頂きありがとうございました。
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