はじめに
2025年6月9日の日経新聞において、インテュイティブ・サージカル(ティッカー:ISRG)が手掛ける手術支援ロボット「da Vinci(ダ・ヴィンチ)」に関する記事が掲載されていました。
記事によると、手術支援ロボット市場は年率約11%で安定的な成長を続けています。手術時間の短縮や、医師および患者双方の負担軽減といった多くの利点が注目されています。
器具を体内に挿入するための切開口が約1cmと小さいことや、臓器への圧力のかけ方をセンサー等が補助することなどにより、身体負担を4割程度軽減できるとされています。
出典: 同社HPより

同社はこの分野において約6割以上のグローバルシェアを占めており、今後もさらなる成長余地があると見られており、投資妙味があるか考察しました。
業務内容
米国に本拠を置くIntuitive Surgical(ISRG)は、手術支援ロボット「da Vinci(ダ・ヴィンチ)」シリーズで広く知られる医療機器メーカーです。
世界各国の医療現場において、外科手術の低侵襲化および高精度化を実現しており、その技術力には定評があります。
業績も堅調に拡大
手術件数およびロボット導入数の増加に伴い、売上高・利益ともに前年同期比で2ケタ成長を維持しています。
また、同社のビジネスモデルは、ロボット本体の販売に加え、手術ごとに必要となる専用器具の提供や、保守契約、医師向けのトレーニングプログラムなど、継続的な収益源を有する点で、安定した収益基盤を構築していることが特徴です。
*出典:楽天証券より作成
成長戦略と見通し
今後は、新興国市場への展開拡大に加え、次世代機種「da Vinci SP」の普及、さらにはAIや映像解析といった先進技術との統合も進められる見通しです。遠隔操作や触覚フィードバック機能の実装など、より高度な外科支援技術の実用化が期待されています。
マクロ的にも世界の人口が増加傾向であること、先進国中心に寿命が延びていることからも、多少高価であっても高度な医療を受けたい富裕層を中心としたニーズは、拡大する一方と考えられます。
ファンダメンタル(2025年6月13日時点/楽天証券より)
- 予想PER:約72.23倍
- 予想PBR:約9.34倍
- 自己資本比率:約87.68%
- 配当利回り:–(無配)
- 売上高営業利益率:28.12%
自己資本比率がおよそ90%と非常に健全であり、営業利益率も30%に迫る高収益体質を確立している点は、同社の大きな強みといえます。一方で、PERが約70倍と高水準にあるため、この評価を正当化するには今後も安定した業績拡大が求められます。
株価の推移と注目ポイント
長期的には美しい上昇トレンドを描いており、成長期待が株価に織り込まれていることがうかがえます。
ただし、市場全体が大きく調整局面に入った際には、株価が20~30%程度下落することもあります。そうした局面では、押し目買いの好機となる可能性も考えられます。
*出典:Yahoo Finance 10年チャート

出典: Yahoo Finance 2年チャート

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